プログラム4日目の朝を迎えました。お目覚めはいかがですか?
気持ちよく起きられた方も、寝起きが悪いという方もいらっしゃると思います。
さて、いきなりですが…皆さんは目覚めてすぐ、何をしますか?目覚めてすぐの決まった行動はありますか?
「お布団の中で、伸びをする」「カーテンを開けて外の光をみる」という方や、「まずは着替える」という方もいらっしゃるかもしれません。この「目が覚める」というのは日中にちゃんと活動していくために大切です。今日はこの目覚めに関わるものがテーマです。
さて、”目が覚めるもの”といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?色々あると思いますが、コーヒーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?コーヒーがお好きな方は多いと思います。
UANGOの食生活診断で「普段コーヒーはどの程度飲みますか?」という質問があるのですが、一番多い回答は「最低1日1~2杯」で、中には「1日3杯以上飲む」という方も多いです。コーヒーは、適量であれば心筋梗塞や脳卒中のリスクを低下させるという研究結果も聞きますが、一方で摂りすぎると体に負担をかけてしまいます。
ということで、本日の朝のテーマは、コーヒーに含まれる「カフェイン」です。
本日はカフェインついて、少し深堀りして行こうと思います。
コーヒーの歴史
まずは、意外と知らないコーヒーの歴史についてご紹介します。
いつどのように、誕生したのかについては、諸説あります。
有名な説の一つは、9世紀にアフリカのエチオピアで誕生したという説です。
ヤギつかいの少年カルディは、ある時コーヒーの実を食べたヤギが興奮して飛び跳ねることに気づきました。その話を修道僧に相談したところ、山腹の木に実る赤い実が原因とわかり、その後修道院の夜業で眠気覚ましに利用されるようになった、という伝記です。
もう一つは、13世紀、中東イエメンにあるモカという町の伝説です。とあるイスラム教の修道者の青年が王女に恋をしてしまい、王様から山に追放されました。青年は空腹のあまり、鳥がつついていた赤い実を食べたら美味しいことに気づき、スープにして飲むと爽快な気分になったそうです。街に戻った後にその効用を広めた、という説です。
いずれにしても、眠気覚ましや爽快な気分になる、ということで広まっていきました。
日本には、1700年代の後半、オランダ人が長崎の出島に持ち込んだと言われています。そして明治時代に入り、西洋料理店の普及でコーヒーが広まっていき、喫茶店も誕生して庶民にも普及していきました。コーヒーはその誕生からおよそ1000年、今や世界中で愛される飲み物になっています。
カフェインの身体への影響
さて、コーヒーに目が覚める・スッキリするという作用は、ご存じの通り、カフェインが入っているため起こります。しかし、カフェインを摂りすぎると体や心に大きな負担がかかります。私たちの体にどのような影響があるのか一緒に見ていきましょう。
まず1つめの影響は「眠気を覚ます」作用です。この作用が起こる理由には、2つの体内物質が関係しています。一つ目の物質は、脳を最も強力に覚醒させる神経伝達物質の一つである「ヒスタミン」です。ヒスタミンは、脳にムチを打つような存在です。もう一つは、疲れてくると生産されるアデノシンという物質です。
アデノシンは、脳を覚醒させるヒスタミンに、「そろそろ休んだら?脳が疲れてる」と、ムチを打つヒスタミンを抑制します。疲れると、アデノシンが、ムチ役のヒスタミンを止めてくれる、だから、疲れてくると眠くなると言われています。
しかし、カフェインは、この眠気をもたらすアデノシンがムチ役のヒスタミンを止めることを逆に抑制してしまいます。つまり、そろそろ休んだら?という役割がいなくなってしまうんです。ムチ役のヒスタミンが活動し続けて、脳が覚醒し続けてしまう訳です。
このカフェインがもたらす覚醒はどれくらいの時間起こるかご存じですか?
実は、接種してから30分から2時間ほどで、血中のカフェイン濃度が最大となり、効果が半分に下がるまで時間も、2時間から長くて8時間かかるそうです。そのため、習慣的にカフェインを摂取している人や過剰に摂取した場合は、不眠や、寝つくまでにかかる時間が長引くこと、睡眠の質を悪化させることにも繋がります。なので、できる限り、夕方18時以降にはカフェインが入っているコーヒーを飲まないようにすることが、良い睡眠を得るためにもおすすめです。
次に2つめのカフェインによる身体への影響は、「体を冷やす」作用です。カフェインには、血管の拡張作用があり、血管が広がると、体温の放熱が進むため、体温が下がっていきます。そのためコーヒーは元々、暑い国で飲まれていました。CMや映画などでは、冬に熱々のコーヒーを飲みながら”温まる”というシーンも見かけるため、ホットコーヒーで温まるイメージがありますが、その反対です。そのため、特に冷え性の方や、寒い時期のコーヒーの摂りすぎには注意が必要です。
そして3つめのカフェインによる身体への影響は「腸を刺激する」作用です。これは適量であれば大腸の動きを活発にさせて便秘にも良いとされています。しかし、摂取しすぎると、腸が刺激されすぎて逆に下痢になったり、タンニンやクロロゲン酸といった成分が、便を硬くして便秘を悪化させたりもします。またカフェインには他にも強い利尿作用があるため、腸内の水分が不足して便秘を悪化させてしまう可能性があります。
「覚醒させる」「体を冷やす」そして「腸を刺激する」、この3つの影響がカフェインにはあります。そのため、摂りすぎには注意していきたいですね。
カフェインの量
さて、カフェインには、どのようなものにどれくらい入っているか、皆さんご存じですか?ここでは飲み物に含まれるカフェインの量を調べてみました。有名な飲み物のうち、100ml飲んだ場合のカフェイン量を、少ない順に10個ご紹介します。
【100㎖当たりのカフェイン量】
10位 ハーブティ:0mg
9位 番茶や玄米茶:10mg
8位 コーラ:10mg程度
7位 ココア:14mg
6位 ほうじ茶や煎茶:20mg
5位 紅茶:30mg
4位 エナジードリンク:40mg
3位 ドリップコーヒー:60mg
以外にも、コーヒーを超えるカフェイン飲料があと二つあります。
カフェインランキング2位は、高級茶として名高い「玉露」です。煎茶は太陽の光を浴び続けた茶葉をつんだお茶ですが、玉露は日光を遮って育てるお茶のことで、なんと100mlあたり、160mgもカフェインを含んでいます。エナジードリンクの4倍ですから、すごい量です。
そして1位は、「エスプレッソ」です。200mgのカフェインが含まれています。ドリップコーヒーの3倍以上入っていて、同じコーヒーという分類でもカフェイン量の違いにビックリです。
しかし、このランキングは100mlあたりなので注意が必要です。コーラは缶やペットボトルで飲むことが多いので紅茶より多く摂取してしまいがちです。また、エナジードリンクは一般的な1缶サイズだと140mgも摂ってしまうことになります。
そして何よりも、コーヒーには注意が必要です。手に入りやすいブランド名で例えると、セブンイレブンのアイスコーヒーLサイズのカフェイン量は150mgです。エナジードリンク1本よりも高くなります。今だと濃いめ薄めを選べるマシンもあるので、濃いめを選ぶと、170mgにもなります。
そして、スターバックスのドリップコーヒーのホットは、トールサイズに含まれるカフェイン量が235mgにもなります。気づかぬ内に、かなりのカフェイン量を摂取することになります。またグランデサイズなら310mgです。
こう見ると、私たちは知らず知らずの内に、カフェインを沢山摂ってしまっているのかもしれません。良い効果もあるが、睡眠を妨げたり、体を冷やしたり、腸を刺激したりという影響もあります。普段、自分がどれだけのカフェインを摂っているか、ぜひ注意して、チェックして見てくださいね。
最後に
本日お伝えしたのは、カフェインについてでした。身体への影響をお伝えしましたが、UANGOではいつも言っているように、「コーヒーを飲むことは悪いこと、ダメです!」とは言いません。やはりコーヒーは美味しいですし、午後の眠い時には飲みたくなります。
なので、もしちょっとカフェイン摂りすぎかも、という時には、ハーブティーを飲んだり、番茶にしたり、デカフェのコーヒーにしたり。バランスをとりながら、お体をねぎらってあげてくださいね。
では、今日も1日、玄米食を楽しんでいただければと思います。それでは、また夜にお会いしましょう。
行ってらっしゃい。